今日も明るく「保健体育」いってみよー!
「ママー、ちんちんから白いもんが出るんだって―――!」
と、ランドセルを床にほおりだしながら、息子(9)がいう。
はいはい、来ましたかー、保健体育案件、男子編ねーと思いながら
「ふーん?え?学校でおそわったのー?」と訊ねると、
下校途中に友達が教えてくれたのだという。
学校の保健体育の教科書を見せてくれて、
「ほら、ここにも書いてあるんだよー」というので
一緒に[女性と男性の違い] という図を見ていると
横から娘(10)が
「何見てんの-!そこ3年でやる所じゃない、4年でやる所なのに何みてんのよー!」
といってやってきた。
娘は、4年生なので移動教室の前に既に保健体育集会済みなのである。
白絵の具
「白い水って、絵の具かなんか入ってんのかなー」とか言ってる息子(9)と、
「これだから、男子は・・・」とあきれ顔の娘(10)、
「なになに?何が白いって?」何にでも首を突っ込む末娘(6)
ちょうどいいので3人に、駒形克己さんの
『ぼく、うまれるよ」を読んでやった。
美しい生命誕生の絵本。美しいデザインと美しい言葉。
3人とも食い入るように見ていて、読み終わると「ふーーっ」と息を吐いた。
しかし、我が家の子らは、美しいだけで終わってはくれない。
「精子と卵子が出会った」って書いてあるけど、
どうやって出会うの?どこで出会うの?なんで出会うの?どうして私たちになったの?
と矢継ぎ早に質問が飛んでくる。
「いやー、いい質問ですね」と池上彰さん風に言ってはみたものの・・・
黙ること2秒
「そ、そりゃあ、あんたたちにウチに来て欲しいからパパとママが交尾したからですよ、キャッ、恥ずかしい、キャッキャッ」
と教えてやった。
子ども達は三人とも顔を見合わせて、大笑いして大喜び。
「カブトムシみたいだねぇ・・・・」
「ザリガニみたいだねぇ・・・・」
と、嬉しそう。
ここ数年で100匹近くカブトムシが生まれ、100匹ザリガニが生まれた、我が家ならではの感想。
「まぁ、そうですね、動物ですからね、人間も・・・
今は、医学も進歩したから、病院のシャーレの中で卵子と精子が出会う場合も結構あるけど、
どこで出会おうが、出会いは出会いだからねぇ。
この世界が生まれてこいやーといったからみんな生まれてんのだ。宝くじより凄い確率の大当たりってゆーかさ。
いずれにせよ、すごいことなんだよ!」
と熱く語ると、娘(10)は神妙な顔。
末娘(6)が「赤いのが出たり、白いのが出たり・・・いそがしいね!」といい、
母が「どっちかしか出ないけどね!」と答える背後で、
息子は「ひゃひゃひゃひゃ」と変な笑い声をたてて喜びながら離れて行った・・・。
あいつ・・・大丈夫か・・・(笑)
理想と現実
生命の神秘を感じるより先に、
巷にあふれるエロ情報に触れて、
自分が生を受けたことを汚らわしいと思う子どもが多いのを以前から耳にしていた。
だから、
よぉし、先手打ってやるぅ、
と、ひそかに巷のエロ情報に対抗意識を燃やしていた母。
結局は、
神秘や不思議さを子らに感じさせたのは、
美しい絵本と幼少期から見ていた動物ドキュメンタリー、飼育していたカブト虫とザリガニの親子。
母が伝えたのは、笑い、
といういつものパターンに終わった。
あーあー。理想通りにはいかんのぉ。
しゃーないな。
子どもの疑問に
めげずに、逃げずに
今日も明るく元気に「保健体育」いってみよー!
おー!