抜けた歯をコインと交換する妖精が住む家のテキトーな話
「ママ、歯が抜けたから
枕の下に入れておく!妖精が来てコインと交換してくれるんだって!」
と長女(小6)が言ったのは何年前のことだろう。
イギリスには、抜けた乳歯を枕の下に入れておくとコインと交換してくれる
歯の妖精(Tooth fairy)がいる。
各国、乳歯が抜けた時に行なうイベントや言い伝えは様々だ。
日本では、良い歯が生えるように願いつつ、軒下や屋根の上に抜けた歯を投げる慣習が広く伝わってきた。
ユーロ
長女の話を聞きながら
「あ?ここ日本だけどね〜」
と思った、我が家の妖精さん。
しかし、マンション住まいで上にも下にも歯を投げられないという住宅事情を鑑みて
イギリス風の受け入れを決定。
妖精っていうのは意外と現実主義なのである。
引き出しの奥に確か、
昔ドイツ行った時のユーロが
転がっていたはず、、、
ということで子どもたちが寝た後で
枕下の歯とユーロを交換。
朝、コインを見つけた長女は大喜び。
あんまり嬉しそうなので
よせばいいのに
妖精は、続けて抜けた2本目の乳歯も
コインと交換してあげた。
シンガポールコイン
一年後
長女のコインが
羨ましい息子もやっと歯が抜け、枕の下へ。
我が家のテキトー妖精、
夫が出張時に持ち帰ったシンガポールコインを失敬し、息子の乳歯と交換。
朝、息子は「わー、姉ちゃんとは違うコインだ!」と喜んでいた。
やはり、続けて抜けた2本目の乳歯を
枕元に置いた息子だったが、、
妖精がテキトー過ぎて
何日も寝落ちした為に
コインに変わらぬ乳歯を眺めて嘆く朝が続いた。
気の毒なので、
数日後コインと交換したが、
息子は妖精の不規則対応に怪訝な様子。
不規則対応は、人間でも妖精でも不信感を生むらしい。
母は言った
「妖精さんっていうのは、気まぐれなのよ」
台湾
末娘の時は、寝落ちしないように
目覚ましかけた妖精さん。
台湾旅行の残りのコインと交換した。
「あ!このコイン見たことある〜!」
と喜ぶ娘。
そうだろう、そうだろうよ(笑)
3本目以降の乳歯も換金しようとする
しっかり者の長女への牽制も兼ねて
「妖精さんは、乳歯1本目だけしか
欲しくないらしいよ〜」
と母が子どもたちに話すのを聞いて
妖精さんは
2本目以降をスルーすることにした。
しかし、規則性がないというのは怖ろしい。
末娘は、規則性ない
テキトー妖精だから
ある時突然、交換してくれるかも
と思っているらしい。
末娘は歯が抜けるたびに
枕元の缶に入れている。
昨日も抜けた歯を捨てようとした母を止めて、缶に入れていた。
歯がたまっていく…。
あんまり、しつこいので
テキトー妖精も
大掃除した時に
出て来たコインみんな交換してあげても
いいかな、と考え始めている。
諦めないと妖精さんが
コインを沢山運んで来てくれる、
そういういい話、、になるのかな?
都市伝説は、
こうしてテキトー妖精達によって作られる…。