子どもに抽象化力をつけたくば、昔話をどうぞ。
「このお話は、昨日のあの話の後半と同じパターンだね」
「あ、これ、違う国の話だけど
絶対に前半はあの話の後半と同じでしょ?」
昔話を子どもらに何年も読み聞かせている。
小学校も高学年ともなると自分で本など読めるのだが、1番下がせがむし、3人に向けて読み聞かせてきた。
子どもの為というより、自分の趣味なのだけど。
話型とモチーフ
毎晩、世界中の昔話を様々な再話で
口に出して読むと
再話の良し悪しが良くわかって面白い。
しかし、
それより面白かったのは、子どもらが
話型やモチーフの分析を始めたことだ。
「違う国なのに似た話が多いな~」と文句を言いながらも、
「だいたいさ~主人公がどっかに出かけて、
なんか贈り物くれる人とかに会うんだよね~」
「そうそう、無くしちゃった物とか
ゲットして家帰ってくんだよ、どーせ」
「偽の主人公とか、よく出て来すぎ~」
ロシアの昔話研究者、ウラジミール・プロップが
昔話の構造分析をおこなった「昔話の形態学」という本がある。
当然のことながら、そんな事を知らぬ子どもらが
プロップの行った機能分類と同じように
昔話の構造を子ども言葉で分類しながら
お喋りしている。
昔話、って凄いなー、やるなー。
役立っちゃう
恩師に
「先生~、今どき、子どもに昔話なんか、
って言う人にも効く
昔話のすごい現世利益見つけましたー!
昔話は、子どもの抽象化力を育てるってこと〜!!」
と伝えたら
「出来の悪い教え子が、またまた愚かなこと言いだしたな~今更、しょ~がねぇなぁ」
という顔をしながら、一言。
「昔話は、抽象文学だからな」
そうそう、昔話は抽象文学なんっす。
だから、まぁ当然ちゃあ当然なんだけど、
抽象的にものごとを捉える型が出来るんだよね。
目の前の細かい事を
近視眼的に見がちな今時の子供らに
俯瞰できる視点を持たせる型。
中学受験だ、高校受験だ、でいきなり抽象的な文章読めとか書け、と言われても、、、
という子にぴったりの娯楽。
娯楽であり、
いつのまにか教材にもなってるという。
というわけで、、
私、昔話人だから
これは完全なる宣伝だけど!!
子どもに
抽象化力をつけてたいなら
昔話、おすすめ!