「長くつ下のピッピ」みたいに

ある児童文学作家が

我が家の3きょうだいに向かって

「『長くつ下のピッピ』読んだことある?」

と訊ねた。

3人とも首を横に振ると

彼は

「あなた方のお母さんみたいな女の子が

出てくる話だよ、読んでごらんなさい」

と言った。

帰宅してから

3人にせがまれて

何日もかけて読み聞かせた。

「ふーん、たしかにママみたいだけど

ママの方が変だね」と子どもたちは言った。

もう何年も前のことだけれど

折にふれて思い出す。

勇敢で優しい天真爛漫なピッピのことを

「あなた方のお母さんみたいな女の子」

と言った児童文学作家の言葉を。

あれは、今まで受けた褒め言葉の中で

最上級のものではなかったか、と。

日本とスウェーデンの外交関係樹立150周年を

記念する『長くつ下のピッピの世界展 ~リンドグレーンが描く北欧の暮らしと子どもたち~』が

今夏開催される。

いつも勇敢で優しい友人が展示に

関わっていると聞いてとても楽しみだ。

ピッピみたいに世界一つよく

優しくありたいな、

そう思う一日だったので

そんなもろもろを思い出した。