命のつながり、を目の前で見る
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くねくね、むきむき…。
17匹の幼虫が、白い体をくねらせながら暮らす我が家のベランダ。
き、きもい…。
はるか昔、「虫愛ずる姫君」と言われた私も、いまやただの虫嫌いのお母ちゃん。
しかし、なりゆきで、17匹のカブトムシの幼虫のお母さんになってしまった。
産んでないから、養母だけど。
〈産まれた〉
昨年の夏、娘(7)が捕獲したメス1匹と、夏祭りで3兄弟が、それぞれもらった3つがい。
合計、10匹を玄関で飼っていた。
毎日、その体調に気を配って餌を配り、
時にはオス同士のけんかの仲裁に入り、
夜中にケースの蓋を開けて脱走したメスの、部屋を飛ぶ音で目を覚まし、大捕り物し…
三人の子どもだけで、手一杯なのに、
ひと夏、かぶと虫の様子をうかがい、疲れ果てた頃、カブトムシたちは相次いであの世へ。
あー、生き物の世話って、気を張っていて疲れるわ~と思いつつ、
動かなくなったカブトムシを、花壇に埋め、手を合わせる子ども達を見て、
都会っ子の彼らには、良い経験になったな、と総括していた。
しかーし、事はそれでは終わらずに、
「ママ~、土の中になんかいる~!!」
小さな幼虫と、卵がたくさん。
いつの間にか、30匹ほどの幼虫が、産まれていました。
その時の、私の衝撃たるや・・・。
玄関を占拠する大きなカブトムシのプラスチックケースを撤去して、やっと花を活けられると思っていた矢先の出来事だったのですから…。
しかも、幼虫・・・。
きもい。。。
夫に「子どもに、気持ち悪い、とか言うな…」と注意され、ごもっともと納得したものの、
気持ち悪いものは、気持ち悪い…。
「ぎょぇー、今日も増えてる、き、きもーい。いやいや、き、気持ち悪くなんてないよ。ふふん」
と、無理な笑顔をつくりつつ、「公園の腐葉土に全部置いてこよう!」と提案しつづける日々もむなしく、
結局、全員飼うはめに…。
〈きもかわ〉
しかし、何だかんだで毎日霧吹きするのは、私の役目となり…。
動きが悪いのでは?と気をもんだり、土を変えた方がいいのでは?と気を配る日々がやってきた。
結局、毎日「カブちゃ~ん、お元気ですか~?」と声掛け、霧かけ…。
だんだん、「きも可愛い」子ども達と思えるようになり、
何だよ、私が一番観察してるじゃない。
途中、せっせと養子にだして、現在17匹。
体の成長とともに、ケースも大きくなり、数も増え、玄関からベランダへ。
時々、土から顔を出しては、むきむき、くねくねする彼らに
「乾いちゃうから、中入りなさいよ~。」と声掛けつつ、
1ミリほどだった卵が、体長15センチほどになったことに感慨を覚える。
子ども達は、
「自分が飼っていたカブトムシは、死んじゃったけど、その卵から、幼虫がかえり、どんどん大きくなっているんだ。」
と、友達や周りの大人に繰り返し説明している。
彼らは、それを「命のつながり」としてまだ見ていないけれど、
横で、「きもーい、けど可愛い」と言いながら、
Sence of wonder を感じている私が一番「命のつながり」というものを見ているかもしれない。
そして、子ども達は、
幼虫の動向に大騒ぎしている母と自分たちを、いつか「命のつながり」という視点から見ることもあるのかな。
最近は、
「命のつながり」を目の前で見て驚嘆する母も含めて、実は観察している子ども達を感じる日々…。
そこから、何を受け取るかは、各自に委ねることとして…
「ブリーダー目指そうかな」とか、言うのやめて…。
っていうか、17匹多すぎでしょ、
誰か、もらってくれ~。