『ノマドワーカーという生き方』 を育児書としてよむ。
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「うちの子たち、大人になったとき、食えるのかねぇ?」
お母さんたちが、集まった時にそんな話が出ることも少なくない。
先の見えにくい時代であることは確かだ。
でも、見えにくいけれど、全く見えないわけじゃない。
ずっと先のことはわからないけれど、ちょっと先のことに繋がる今の動きなら見える。
昔ながらの育児書も素敵だけれど、ちょっと手をのばして違うジャンルの本を手に取ると、
そこには、何かと閉塞的になりがちな育児や育自のヒントが転がっている。
(色々な生き方を知る)
今、
従来通りの仕事や働き方以外に、様々な仕事や、働き方があること、
色々な生き方があることを、親や教育者が知ることは、とても大きな意味を持つ。
先日読んだ、『ノマドワーカーという生き方』という本は、
組織に属さず働くひとつの例として、とても面白く、子どもと関わる者としても、得るところが多かった。
41歳で独立し、プロブロガー(ブログを書くことを生業としている方のことですが)となった著者の
プロブロガー生活、プロブロガーとなるまでの軌跡が事細かに描かれている。
ガジェット(主にIT系電子機器のことですが)周りの記述も多いので、そうしたものが好きな人には楽しく。
あまり縁のない人にも、今の空気を感じる良い刺激になるはず。
ただ、読むだけで「ほー、こんな生活している人がいるんだ」と自分の視野も広がることでしょう。
普通に生活していて、プロブロガーと接点のある人、そんなに多くないですものね。
(戦略・習慣)
サブタイトルに「場所を選ばず雇われないで働く人の戦略と習慣」とあるように、
この本を育児書として読む時の肝も、
戦略と習慣。
著者が、会社を辞めてプロブロガーとなる為にたてた戦略の詳細が並ぶ。
うーむ。
まず、育児する者、教育に携わる者の側に「戦略」が必要であること、をひしと感じさせられちゃう。
そして、子ども達に戦略を持って、生きていく力をつける必要があることも。
また、本の中では、「良い習慣を身につけることが、より良き自分になれる」ということを
身を以て立証した日々の記録が赤裸々に描かれている。
105Kgに迄増えた体重とバブル期に背負った借金を返上し、プロブロガーとなった現在までの
生々しい体験談を読めば、多くの人は「ポイントは、習慣だ!」と鼻息荒く、
子どもと自分の日々の習慣を思いかえすことでしょう。
まぁ、私の場合は、戦略も、良き習慣も持ち合わせていないことに
気付いてしまったわけですが・・・。
(今からでも遅くない)
今更ながら、気付いちゃった私ですが、
著者は、41歳で独立してノマドワーカー、プロブロガーとなったわけで、
そんなところも、「今からでも遅くないよ」と勇気を与えてくれる。
育児書読んでると
「もっと、子どもが小さいうちに知りたかった…」ってこと、結構あるよね。
でも、子どもまだ、41歳になってないでしょ?
うちも、まだなってないよ。
セーフ、セーフ。
今からでも遅くない。
それに、育てられる分だけ育てたら、
「後は、自分で自分のこと育ててね♡」と言って、この本渡しちゃえばいいんだよね。
ま、それまでは自分が手許に置いておこう。
情報発信力の重要性は、この本の通奏低音としてずっと流れているのだけれど、
著者は最後に
「ネットの海に漕ぎ出し、そしてリアルと繋がる。
21世紀のコミュニケーションはこの形で進むと信じています。」
と結んでいる。
なるほどね、と思ったら
読むだけで終わらせず、
私たちも、子どもを脇に抱えながら、漕ぎ出してみようか? その海へ。